今回のお客様は旧知の仲でもあるT様。様々な事業を営みながら全道各地でアパート経営を行なっています。もともとDIYが趣味であったこともあり中古で物件を購入した後、ご自身の手で隅々までリフォームを行なうそうで入居者様の満足度も高いといいます。依頼いただいた物件は築年数こそ高いものの外観・内装共にリフォームを終えとても綺麗な状態。ただ、一点だけ何度も補修を重ねながらもこれまでのダメージが拭いきれない場所がありました。
三和土(たたき)や土間なんて呼ばれる玄関前のコンクリート部。野ざらしになる部分にも関わらず基礎コンクリートと一体化しているため風化してしまっても左官屋さんによるモルタル補修程度の修繕方法しか選択肢はありません。また、それを行なっても厚さがないため時間と共にヒビが入りいずれ表面剥離を起こします。外観の写真ではこの部分は大きく見えるため不動産情報サイト等での集客にも不利に働くと聞きます。
さて、現状というと多数の補修跡と直しきれない多数のヒビや凹凸が確認出来ます。モルタル補修と言っても全面的に行なうのはどうしても費用がかさむため、部分的に実施し色が不均一であることもアパートではよく見る光景です。
まずは補修をしっかりと行なわなくては、表面をいくら綺麗にしてもヒビは広がり続けるため根本的な解決には至りません。深いものもあったためこれ以上の劣化を防ぐためクラックボンダー(http://www.crack-cp.com/contents/crackbonder.html)を用い丁寧に修繕します。柱などの金属部が黒で塗装されていたためあえての黒目地を狙ってベーススプレーとしてチャコールを選択、新しい外壁との調和を考えながら、ステンシルはカットストーン、カラーはストーングレーを選択しました。
マットスプレーではティント着色というオプションを選択することが出来ます。ランダムに着色しよりお洒落に見せることができるのですが、レイアウトが難しくセンスが要求されるところです。自身でリフォームをするT様にたっての願いで、ここは一緒に施工。紙を貼って何度もシミュレーションしながら1枚ずつ大切に作業をしておりました。
最後のシーラーを塗布しいよいよ完成。T様も大満足な上、早速内覧希望者が訪れたと聞きます。「耐久性も見た目も大幅にグレードアップしました。次は旭川の物件をお願いしようかな」そんなありがたいお言葉を聞きながらデニムツナギの3人衆は笑顔で現場を後にするのでした。